幕張総合高校合格の生徒

幕張総合高校、いつも高倍率ですよね。偏差値60前後というちょうど良いレベルであり、総合学科なので全県から受験可能であることも高倍率の要因なのかもしれません。

 

 

今は【面接】で検査を行う幕張総合高校ですが、以前は【自己表現】という検査を行っておりました。自己表現というのは自己アピールを点数化する検査で【実技】と【口頭】の2つの受検方法があります。

 

大昔、特色科選抜が行われていた時代も自己表現を採用していました。前期・後期選抜とは違い、選抜の資料に5科のテストがありませんので≪内申点+自己表現の点数≫で決まるわけです。幕総の特色科選抜(今年でいうと前期入試)は…【実技】で受検した生徒(実績も必要)は内申点がオール3でも合格するけど【口頭】で受検した生徒は内申点がオール5でも入れない…そんな入試でした。

もう10年ほど前になりますが、塾組合の企画で幕張総合に行って色々と話を聞いたことがあります。そこで上記の点について≪受験生はみな頑張っている。内申点がオール5でも合格できないのならば、どうすれば特色科選抜で合格がもらえるのか?≫という質問に対して明確な答えがなかったことから[特色科選抜は実技優先である]ということがわかりました。

 

 

そもそも幕張総合高校は進学校ではありません。以前幕張地域にあった3つの高校が統合して幕張総合高校になりました。3校はそれぞれ「美術」「音楽」「書道」に力を入れる普通高校。ですからその流れを受け継いだ幕張総合高校はそもそも進学校ではなく、運動でも勉強でも何かに秀でている生徒を評価する学校であるからこそ[特色科選抜では運動で秀でている子、一般入試では勉強で秀でている子]という評価基準で何も問題はなかったのです。

 

それが前期選抜・後期選抜になり、前期入試にも5科のテストが課されることになりました。特色科選抜の流れを汲む前期選抜ですので、ここでも同じようなことが行われます(テストを課していても、その扱いが低い)。そして、あの3年前の騒動に。

 

その後、自己表現をやめ【面接】となりました。その結果、かなり健全な入試が行われるようになりました。来年からの入試一本化でどういった動きが見られるのか、今後も要注目の学校です。

 

 

 

今年前期で幕張総合高校に合格した生徒は小学5年生からお預かりしていました。うちに来る前は公文さんにお世話になっていたようで、応用力が若干劣るものの計算や漢字などの基礎学力が高く、とても元気な生徒でした。中学生になり、定期テストの点数や順位もある一定の高数値を保てていました。

 

そんな一見順風満帆に見える彼でしたが、徐々に勉強時間の確保、集中力の持続などの点で大きな問題を抱えるようになります。実は彼はシニア野球の主力選手だったのです。学校の部活が終了した周りの生徒たちが勉強に打ち込んでいるその時にシニアの練習も激しさを増していきます。当然土曜日や日曜日も練習や試合です。中3の夏期講習や夏期合宿の講習にも来れない日が多くあり、結果としてライバルたちに大きく引き離される形になりました。偏差値60(中3 4月)から偏差値55(中3 8月)まで落ちてしまいます。

 

しかしシニアの大会が終了した後は、毎日塾に来て自習室に入り浸り、時には質問をしてくれるようになります。お母さんが車を出せないときは自転車で20分ほどかけて頑張って通塾してくれていました。

 

その甲斐もあり、徐々に成績も復活。4月の偏差値を超える結果を出しつつ前期入試を迎えました。

前期の倍率は2.68倍。5人に2人入るかどうかの結構厳しい入試です。内申点が良いこともあり少しだけ余裕がありますが、ミスを連発してしまい340点辺りだと不合格の可能性が高まります。

 

 

自己採点会当日。大きなミスはなく無難に取ってきたものの、あと1問が欲しい状況。彼には『もし不合格になったらあと5点から10点の中にいる。後期で絶対合格できるので、落ち込みすぎないようにすぐに行動』とアドバイスし、結果発表当日を迎えます。

 

 

…なかなか電話が来ません。

 

 

…まだ来ません。

 

 

 

ダメだったか?と思った矢先電話が鳴り、『合格しました!』とのこと。本当にホッとしました。

 

 

 

やはり小学生時代から長くお預かりしてきた生徒たちは思い出も多く、絶対に合格させてやりたい気持ちになります(結果として、中1以前からお預かりした生徒たちは皆合格を手に入れることが出来ました)。若竹で長く指導させていただいた生徒たちには小手先のテクニックではなく基礎学力が見についています。これを土台に高校時代で更に花が咲くことを願っています。よくある2回目のテスト後に『勉強が出来なくなっちゃいました』って戻ってくるパターンは勘弁ね~(笑)